• 2019.08.07

子牛の通った小道

福島会計の小島です。
いよいよ本格的に夏が到来しました。先月の梅雨寒で一時期は冷夏が危ぶまれましたが、一転昨年に続き猛暑となりましたね。皆さま、熱中症にはくれぐれもお気をつけください。

さて、採用難による人手不足が常態化するなか、来年2020年4月には中小企業にも働き方改革法が適用され、中小企業を取り巻く環境はますます厳しくなります。
新規採用が進まないばかりか、既存の従業員の労働時間も削減しなければならず、かといって労働生産性を向上させる具体的施策が打てずにいるのが、ほとんどの企業の現状かと思います。

なんとかこの状況を変えたい、という皆さんにアメリカの詩人サム・ウォルター・フォス(1858-1911)の「子牛の通った小道」の話をご紹介いたします。

“ある日、草原を一匹の子牛が気まぐれに散歩していた。くねくね曲がりながらその野原を通っていった。 あくる日、鹿が狩人に追われ、子牛の通った草がねているあとを逃げていった。その次の日は羊が、その小道を通った。その後、多くの動物や人々が、この曲がりくねった小道を「くねくね曲がっている」と不平を言いながら通っていった。
やがて、小道は大通りになった。またたくうちに、そこは大都会の中心になった。何十万人もの人々が、今もなお、300 年もの昔に通った、あの子牛に導かれて、くねくねと曲がりながら通っていく。
確固たる前例なるものは、こんなにまでも尊ばれるのだ。“

皆さまも普段の仕事において、ただ何となく始めたことでも、延々と続くとそれが正しい方法かのように思い込んでしまい、「変えられない、やめられない」という経験があるのではないでしょうか。
重大そうに見えることでも、ことの始まりは「子牛が偶然、通った」くらいのものかもしれないのに、漫然と無駄なやり方を続けていることが多々あるかと思います。
かくいう私自身も従来からのやり方に疑問を抱かず、非効率なやり方に縛られていることがあります。後任者にバトンタッチしてから、より効率的な方法に改善されるのを目の当たりにし、反省することしきりです。

テクノロジーの発展が目覚ましい現在にあっては、時代にそぐわない旧態依然とした方法が、まだまだ残されているはずです。もちろん、ただいたずらに前例をひっくり返せば良いという訳ではありませんが、現在のやり方に至った背景や本来の目的を常に考える問題意識を持ちながら、曲がりくねった「子牛の道」をまっすぐ引き直すよう努めて行かなければいけません。
座して働き方改革法の波にのまれるのではなく、これを契機に自社の生産性向上に取り組んで行かなければ、今後は生き残れないでしょう。

今回ご紹介した「子牛の通った小道」は単純明快で、皆さんの腹に落ち易い寓話だと思います。是非、自社の生産性向上への取り組みの契機として、社内で共有してみてください。

なお弊社では数年前から様々なクラウドツールを導入して、生産性向上に取り組んで参りました。経理業務の効率化でお悩みでしたら、ぜひ一度ご相談ください。

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