従業員の資格取得費用等を負担した場合の取り扱い
2022.06.01
税理士試験のご健闘をお祈り申し上げます
こんにちは。
税理士の福島でございます。
この酷暑の最中、今年も税理士試験が始まりました。
うちの事務所からも5名が受験しているので、例年のことながら事務所がガランとしています。
一年に一回しかない試験なので、今まで頑張ってきた成果を多いに発揮し、是非とも合格して欲しいと思います。
実は税理士試験の受験者数は前年より7%も減少し、今年は受験申込者数が6年前に比べて約2万人も減少しているそうです。
その原因を私なりに考察してみたいと思います。
単純に若年層の人口が減っているということもあるとは思います。
また会計士資格があれば、一定の要件の下に税理士登録できることから、年2回になって受けやすくなった会計士試験に受験者が流れている等、いろいろと要因はあると思いますが、一番大きな理由は将来AIやロボットに取って代わられ、10年後には無くなってしまう職業に挙げられていること、ではないでしょうか?
であれば、合格までに最低でも3年くらいから長いと10年以上かかる試験を、わざわざ受けようと思う人は当然減ってしまいますよね。
また、税理士の仕事が良く理解されてないこと、会計事務所って何をやっているのか案外知られていないことによる、「税理士に魅力を感じないから」、ということがあると思われます。
私はそのようには全然考えていません。
今この業界はものすごい変化の中にあって、将来的にとても魅力のある、わくわくすることのできる職業で、とてもやりがいがあるお仕事だと思っています。
「税理士」は一般的には、税務・会計の専門家として認知されていると思います。
その通りで、納税者の代理として税務書類の作成や税務調査の対応や、それに付随する会計帳簿や財務書類の作成を行います。
このような業務がAIに取って代わられる部分になるわけです。
でも私たちは実際には、中小企業経営者や個人事業主の一番身近な相談者として、税務相談だけでなく、経営のご相談も多く受けます。
従来の会計事務所は、労働集約型の属人的なビジネスモデルでした。
ところがこの数年のクラウド会計やフィンテックの台頭で大きく変わろうとしています。
記帳にかかる業務量は大幅に削減されるので、経営者にとって今まで過去の数字を確認する会計だったのが、正確な数値に基づいたリアルタイムの情報を会計事務所と共有することにより、会計人の経営支援を受けて未来の経営判断がタイムリーに出来るようになるのです。
「経営者」は10年後に無くならない仕事の筆頭にあげられいてますから、私たちは経営者の右腕として、社外財務部長、経営企画室長といった付加価値のある仕事にシフトしていき、経営者にとって、なくてはならない存在になれるのです。
また、先ほど述べたクラウド会計等は私たちの仕事を奪うものではなく、そういった技術革新や変化を受け入れれば、今までのような労働集約型の仕事から抜け出し、働き方改革が実現し、生産性のアップも図れることで、自分たちの報酬もアップできることになるのです。
私は、AIやクラウドは私たちの業務と非常に相性が良いと思っています。
どんどん取り入れて、その空いた時間でもっとお客様に情報提供や経営の課題解決のご提案をすることで、夢の実現のお手伝いができるのです。
ヒト、モノ、カネ、情報のリソースが足りない中小企業に対し、クラウド会計等のITインテグレーションでこれらの問題を解決することのご支援は、会計事務所の提供できるサービスの一つになっていくと思っています。
「税理士」と言わず、「会計人」いう言い方をしたのは、まだ資格は取得できてなくても、会計事務所で働く、経営者を元気にしたいという高い志を持った人たちも、この業界にたくさんいることを知っていただきたいと思ったからです。
それでも、税理士という国家資格はお客様の経営のご支援をするうえで、強力な武器になるのは確かだと思います。資格が信頼を得るということも確かにあるからです。
プロとしての仕事をしているという誇りを持てるようになるためにも、まずは試験に合格してください。
優秀で熱い気持ちを持った沢山の方たちがどんどんこの業界に入ってきて、活躍してほしいと思っています。
そしてこの資格のステータスを押し上げてほしいと願っています。
最後になりましたが、全国の税理士試験受験者のご健闘を祈念しております。
頑張ってください!