従業員の資格取得費用等を負担した場合の取り扱い
2022.06.01
中小企業倒産防止共済について知っておきたい3つのポイント
スタッフの箱田です。
3月も半ばに差し掛かり、個人確定申告も終盤戦を迎えております。
3月と言えば、国税庁の発表によると、日本の会社で最も多いのが3月決算の会社です。
そのような3月決算の会社をはじめ、近々、決算を迎える会社の方にご紹介したいのが、中小企業倒産防止共済(経営セーフティ共済)です。
中小企業倒産防止共済とは取引先の倒産という予期せぬ事態に備えて、中小企業が加入できる制度です。
中小企業倒産防止共済では毎月月額5,000円から20万円の範囲内で選択して掛金を納付し、取引先企業が倒産した場合は無担保・無保証で掛金の最高10倍までの借入を行うことができる仕組みとなっています。(掛金は総額が800万円になるまで積立可能)
他にも以下のような特徴があります。
1.一時貸付金制度
中小企業倒産防止共済では、取引先の倒産が無くても、解約手当金の95%を上限として、事業資金の借入を行うことができる「一時貸付金」制度があります。
取引先の倒産は無くても、急に資金が必要になった場合など、不測の事態に備えることもできます。
2.解約手当金制度
共済契約を契約者側の都合で解約した場合でも掛金を12ヶ月以上納付していた場合には、掛金総額の80%以上が解約手当金として支給されます。また、40ヶ月以上納めていた場合は、掛金の100%が戻ってきます。(滞納・不法行為による解約等、一部例外あり)
3.掛金の税務上損金算入
中小企業倒産防止共済の掛金は会社の場合は税法上損金、個人事業主の場合は所得税法上の必要経費に算入することができます。
そのため、経営状況を考慮に入れながら、掛金の金額や前納の有無を決めることが重要です。
一方で、ご加入前には以下の点を含めて検討する必要があります。
・赤字の場合など元々納税額が無い事業年度に掛金を前納しても、納税額は変わらないため、前納を行う際は経営成績等を含めて判断する必要があります。
・解約手当金は法人税法上益金、個人事業主の場合は収入となるため、解約時の状況によっては、課税されることになります。
上記のことから、税務上は加入と解約のタイミングが非常に重要になります。
その他にも加入条件や会社ごとのメリット・注意点など、ご不明な点がございましたら、福島会計までお気軽にご連絡ください。