• 2020.09.02

緊急時には利益確保より資金確保を~お客様を“倒産”から守るために~

スタッフの西川です。

民間調査会社(主要2社)の企業倒産調査によると、全国の企業倒産件数が2020.6月および7月は2ヵ月連続で
今年最多を更新しています。

政府や金融機関による資金繰り支援策や、国・自治体の金融支援はあるものの、このまま経済活動が長期的に
停滞するという見通しから、多くの会社が清算型の手続きである「破産」という方法を選んでいるという結果が
鮮明となっています。

 

一方で、7/6に日本経済新聞で「不動産投資に底打ちの兆し」との記事が出たり、8/3には日刊工業新聞が
「電子部品業界も回復が早まる見立て」と報じています。

 

会社として事業の継続を検討する中で、今までの季節変動などの要因だけではなく、コロナ禍での潮流を
素早く分析・検討して戦略を立て、場合によっては業態変更に踏み切ることも決断として求められていると
感じています。

 

ここで、冒頭より「倒産」という言葉を使用しましたが、倒産という言葉には法律的な定義はありません。

倒産とは、端的に言えば、債務者が債務を返済できず、経済的に破綻している“状態”を表した言葉になりますが、
倒産処理の方法によっては以下のような分類ができます。

 

【法的な意味での倒産】
①破産法に基づく破産手続き(清算型)
②会社更生法に基づく会社更生手続き(再建型)
③民事再生法に基づく民事再生手続き(再建型)

【私的な意味での倒産】
④銀行取引停止処分による実質的破綻に基づくもの
⑤債務者と債権者との任意の話し合いによるもの

 

なお、④の銀行取引停止処分(不渡りが原因となるもの)については、現下の状況を踏まえ金融庁と日本銀行との
申し合わせにより金融機関に対し、不渡り処分を当面猶予する特別措置を要請しているものの、不渡りが原因で
倒産に陥ってしまった会社も数多く報告されています。

 

さて、先日弊社のお客様へは「コロナ禍からの立ち直り 財務再建事業再生ロードマップ」という小冊子をご提供
させていただいておりました。
http://www.skattsei.co.jp/shosassi/data/78380.html
こちらの反響が大きく、大幅な増刷が決定しています。

 

その中でも取り上げていますが、今会社が取組むべきことは、「緊急時には利益確保より資金確保を」ということです。

先ほどの銀行取引停止処分は、手形の不渡りが原因となりますが、手形決済がない会社であれば何を優先して、どこから
支払いの交渉をして手元資金を残していくのか、などの会社を守る視点について、社長が立ち往生しないための情報提供を
差し上げております。

 

多くのお客様は、当面の資金繰り対策としての融資や給付金は一巡しつつある状況となっています。

私たちは、経営者の一番身近な相談相手となり、会社の利益計画とキャッシュフローの相談に乗っていければと思っております。

お困りごとがあれば、何なりとご相談お待ちしております。

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