従業員の資格取得費用等を負担した場合の取り扱い
2022.06.01
家族信託って?
突然ですが、親が認知症になったら。。。ということを
考えたことはありますでしょうか。
高齢化にともない認知症の高齢者は、確実に増加しています。
もしも親が認知症になってしまったら、心配なことの一つとして「お金」の問題があります。
なぜなら、銀行は、原則家族であってもご本人以外からの預金の引き出しには応じてくれません。
よって、判断能力がなくなってしまった方の代理では、預金の引き出しができないという
ことになります。
その結果、一時的に家族が親の医療費や介護費用の立て替えをせざるを得なくなります。
また、認知症の親を介護施設に入所させた場合、実家は空き家状態となります。
親が介護施設に入所してしまい、空き家になったのだから
介護費用や入院費もかかることだし、実家を売却して費用を捻出しようか
または、賃貸に出そうか、ということも考えられると思います。
しかし、残念ながら、所有者本人が認知症となってしまってからでは
売却も賃貸の手続きもご本人以外の方では、簡単にはできなくなってしまうのです。
では困った事態となる前に、事前に打つ手はないのかということとなりますね。
事前に財産管理を託すことができる制度の一つとして「家族信託」という制度をご存知でしょうか。
「家族信託」は、親が元気なうちに事前にできる財産管理方法です。
近年注目されてきており、新聞や雑誌、テレビなどにもよく取り上げられるようになりました。
「家族信託」とは。
親の財産管理を家族に託すという契約をするというものです。
信頼できる家族に託す契約ですのでコストも抑えられ、どなたにも活用いただけるものです。
認知症によって判断能力が低下する前に、「家族信託」を契約しておくことで
もしも。。。という不測の事態が起きたとしても、子が親の希望に沿って
お金の管理、不動産の管理・運用をスムーズに行うことができるという制度です。
ただし、あくまでも契約ですから、判断能力が低下する前にしか契約を作成することは出来ません。
ですから、認知症によって判断能力が低下してしまう前に家族と信託契約をすることが重要
となるのです。
では、どのような仕組みなのか?
家族信託の仕組みを簡単にご説明いたします。
親の財産の所有権のうち、管理する権利だけを信頼できる家族に移すものとなります。
『委託者』である親が、『受託者』である子に、自分の所有する財産の管理を任せ
『受益者』である親が信託で得た利益を受けることができるというものです。
例)
賃貸物件所有者(父)が『委託者』『受益者』
↓ 長男と信託契約
長男 『受託者』が管理権にて信託口座、不動産管理運用をする。
↓ 賃貸収入は、『受益者』である父へ
父『受益者』
『委託者』である親が、『受託者』である子に
自分の所有する財産の管理を任せる契約を事前にしているため
認知症などで判断能力が低下したとしても、財産管理を委託された子が
親の預金の管理や不動産の管理、処分などをスムーズに実行できるということ
となります。もしも相続となった場合でも、契約書にご自身の意向を記載しておけば
遺言の代わりとすることも可能です。
「家族信託」の契約書は、専門家である司法書士、弁護士等が
それぞれのご家族構成や財産内容、信託方法に合わせて契約書を作成してくれます。
認知症になったりしたら心配なので、預金の管理のみを信託契約とすることも
自宅の土地、家屋の処分のみお願いしたい。などです。
遺言の代わりに契約書に、孫に将来を託す内容を盛り込むなど
柔軟な契約内容の設定が可能な点も特徴的と言えます。
以上の話からおわかりいただけたかと思いますが、とにかく認知症などその他
の病気などでも、親の判断能力が低下してからでは打つ手はありません。
事前の対策がいかに重要なことかということがおわかりいただけたかと思います。
家族信託は、作成までに予想以上の時間がかかることも考えられますので
家族で話し合い、準備するのに早すぎるなんてことはありません。
福島会計では、相続、家族信託についてのご相談を承っております。
ぜひこの機会にご相談ください。