従業員の資格取得費用等を負担した場合の取り扱い
2022.06.01
知っておきたい中小企業経営強化税制と経営力向上計画
近年、働き方改革やコロナウィルスにより、中小企業を取り巻く環境にも変化が生じ、柔軟に対応する必要性もますます高まってきました。中小企業の設備投資によって企業力や生産性の向上を支援する税制優遇制度「中小企業経営強化税制」というものがあります。
今回はこの「中小企業経営強化税制」の概要や適用を受けるにあたり認定を受ける必要のある「経営力向上計画」のあらましについてお伝えいたします。細かい要件などは省略しておりますので、中小企業庁のリーフレットや国税庁のパンフレットもご覧ください。
https://www.chusho.meti.go.jp/keiei/kyoka/pdf/tebiki_zeiseikinyu.pdf
https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/hojin/5434.htm
認定を受けた中小企業者が、一定の期間内に新しい設備を取得や製作等を実施し、指定された事業に利用した場合、即時償却又は取得価額の10%(資本金3000万円超1億円以下の法人は7%)の税額控除を選択適用することができます。
平成29年4月1日~令和5年3月31日までの期間内に取得し利用した日を含む事業年度
青色申告書を提出する者のうち、経営力向上計画の認定を受けた中小企業者等であり、資本金もしくは出資金が1億円以下の法人、
資本または出資を有しない法人のうち常時使用する従業員数が1,000人以下の法人、
または、常時使用する従業員数が1,000人以下の個人、もしくは協同組合等
適用できる資産は、下記のように定められています。
・機械及び装置:1台または1基の取得価額が160万円以上のもの
・工具器具及び備品:1台または1基の取得価額が30万円以上のもの
・建物付属設備:取得価額が60万円以上のもの
・ソフトウェア:取得価額が70万円以上のもの
ただし、この税制を利用するには経営力向上計画の認定を受けていることが前提となります。
自社の経営力を向上するために実施する計画で、具体的には、人材育成といったマネジメント能力の向上や設備投資などがあげられます。中小企業や小規模事業者は計画を申請し、認定されることによって、様々な税制や金融の支援を受けることが可能になります。
https://www.chusho.meti.go.jp/keiei/kyoka/pdf/tebiki_keieiryoku.pdf
経営力向上計画は、日本の全企業数の99.7%を占める中小企業による事業活動・挑戦こそが、日本経済成長の原動力となるという考えのもと、「中小企業等経営強化法」という法律に基づいて制定されているものです。人口減少・少子高齢化の進展や国際競争の激化や人手不足などで中小企業・小規模事業者などを取り巻く事業環境は厳しい状況にあるが、きちんと「現在の課題や問題」に向き合い「具体的にどんな取り組みを実行して経営力を向上させるか」を考えた企業には支援をしていこうという考えが背景にあります。
「企業の概要」「現状認識」「経営力向上の目標とそれによる向上を示す指標」「経営力向上の内容」「事業承継等の時期及び内容」などの計画を策定し、5ページ程度の計画申請書を提出します。
中小企業支援に関する専門的な知識や実務経験が一定レベル以上あるとして、国の認定を受けた支援機関(税理士、税理士法人、公認会計士、中小企業診断士、商工会・商工会議所、金融機関等)から、計画策定を実施するにあたり、サポートを受けることができます。検索システムも完備されており、最寄りの支援機関を探すことが可能です。
福島会計も認定経営革新等支援機関に認定されております。自社の課題に向き合い、成長を志向される企業様のお手伝いをさせていただきますので、お気軽にご連絡ください。