どんな場合に必要?手続き面は?源泉徴収の対象となる報酬のあらまし
2022.03.16
相続関連 民法改正の詳細
個人所得税確定申告も終わり、暖かい日差しに春まっしぐら、桜が待ち遠しい季節になりました。
民法大改正のうち、40年ぶりとなる相続関係の改正で、以前ご案内した内容につきまして追加詳細をご案内させていただきます。
1.配偶者の居住権を保護
・被相続人の配偶者は原則、終身(別段の定めがある場合はその期間)、無償でその居住建物を使用及び収益することができるという内容です。
・登記も可能
・相続開始時に居住建物を配偶者以外のものと共有していないこと
・遺産の分割によって配偶者居住権を取得するものとされた、または遺贈の目的とされた場合
→ 長期居住権
・長期の要件を満たさなかった場合に、居住建物が他人の所有となった場合でも、生存配偶者の直近の居住権を保護するために居住権が発生します。
・遺産分割により居住建物の帰属が確定した日または相続開始から6か月を経過した日のいずれか遅い日まで
→ 短期居住権
2.遺産分割の見直し
(1)持ち戻し免除の意思表示の推定規定の創設
婚姻期間が20年以上の夫婦の一方である被相続人が、他の一方に対し、その居住の用に供する建物またはその敷地について遺贈または贈与をしたときは、当該被相続人は、その遺贈または贈与について第一項の規定を適用しない旨の意思を表示したものと推定する。
(2)預貯金の仮払い制度の創設
遺産に属する預貯金債権のうち相続開始の時の債権額の3分の1に・・・当該共同相続人相続分を乗じた額については、単独でその権利を行使することができる。
3.遺言制度の見直し
(1)自筆証書遺言の方式緩和
現行では「日付」「全文」「氏名」を自筆、押印が必要 →財産目録については自筆でなくてよい
(2)自筆証書遺言の保管制度
遺言者は、遺言書保管官に対して、遺言書を無封の状態で、遺言書保管所に出頭して保管申請することができる。
自筆証書遺言の方式を満たしているかどうかの外形的診査で、意思能力は確認しないようです。
4.相続人以外の被相続人に対する貢献
特別の寄与制度が新設されました。
・被相続人に対して無償で療養看護その他の労務の提供をすること
・被相続人の財産の維持または増加について特別の寄与をすること
・被相続人の相続人以外の親族であること
・相続人に対して支払いを請求すること
5.遺留分制度の改正
(1)遺留分侵害額請求権の新設
現行では、遺留分請求権を行使された時点で、行使された受遺者・相続人と遺留分権利者との間の共有状態が生じることになるが、新法では遺留分侵害額請求権=金銭賠償となり、共有状態は生じない。
(2)期限の許与制度の新設
遺留分侵害額請求に対する支払いが急にはできない事情もあると推察されるため、裁判所により、支払いにつき相当の期限を許与することができることになった。
(3)遺留分算定の改正
現行では、当事者双方が遺留分権利者に損害を与えることを知って贈与したときは、その時期を問わずして原則としてそのすべてが遺留分算定の基礎となる財産の価額に参入される、とされている。
新法では、相続人に対する贈与の範囲を10年とする、とされました。
小規模宅地の適用、評価についてはまだこれから整備される予定ですので、今後さらに詳細がわかり次第ご案内させていただきます。
以前からご案内の通り、相続についての大きなポイントは
どうやって分けるか(分割)・どうやって払うか(納税資金)・どうやって安くするか(節税)
の3つを総合して同時に対策を進めていくことが肝要となります。
公示地価も発表され、今年の路線価の動向も気になるところですが、弊事務所では初回無料にてご相談を承っておりますので、いつでもご連絡いただければ幸いです。