• 2016.03.31

【公示地価上昇の表と裏】

地価上昇

 国土交通省が先週22日に発表した公示地価が全国平均で前年比0.1%上昇となり、8年ぶりの上昇に転じました。
 リーマン・ショック以降下落が続いていた地価の反転が大都市圏だけでなく地方にも広がってきているようです。

 今回の地価上昇のけん引役は大都市の商業地で、訪日客の増加や再開発による特需的な要素もありますが、その影響は地方の一部観光地にも波及してきています。

 しかし、住宅地は未だ全国平均で0.2%、三大都市圏を除く地方圏では0.7%の下落となっています。
 先日の国勢調査で改めて人口減少が裏付けられたとおり、人口減少率が高い地方では地価反転の兆しが見えない状況です。

 また、この公示地価の上昇は毎年7月に発表される路線価の基礎となるため、昨年改正により増税された相続税にも影響を及ぼすこととなります。

 先般導入されたマイナス金利が追い風となるという見方が多いようですが、投資マネーだけで地価が変動することは、その陰で大都市と地方の二極化が進み、平穏に暮らしている家計への負担増(増税)となり好ましいとは言えません。
 アベノミクスの「新」3本の矢にある「希望を生み出す強い経済」には地方の活性化は欠かせないと思いますので、これから地方圏でも健全な地価の形成がなされることを望んでいます。

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