どんな場合に必要?手続き面は?源泉徴収の対象となる報酬のあらまし
2022.03.16
令和2年度税制改正大綱
福島会計、中本です。
今年の漢字は、やはり、「令」でしたね。
その令和元年も押し迫ってまいりましたが、ちょうどこの時期恒例の令和2年度税制改正大綱が発表されましたので、
いくつか継続課題になっていたところを中心にまとめてみました。
1.個人
金融・証券税制では、①つみたてNISAの5年延長、②NISA2階建へ、③確定拠出年金制度の加入可能年齢見直し、
④エンジェル税制など資産形成に関して有利となる内容でした。
土地住宅税制については、①低未利用土地等の譲渡所得の特別控除の創設、②「配偶者居住権」にかかる措置、
③居住用財産の譲渡の特例等と住宅ローン控除の併用不可の期間見直し、など空き家対策や民法改正に伴う内容などの整備でした。
租税特別措置では、国外中古建物の不動産所得にかかる損益通算の特例につき、ついに決まりました。
令和3年以後の所得税で、国外不動産所得の損失の金額のうち、国外中古建物の償却費に相当する部分の金額については
生じなかったものとみなす、という内容でした。
その他、①未婚のひとり親に対する税制上の措置および寡婦(夫)控除の見直し、②国外親族にかかる扶養控除の
適用についての要件整備、③雑所得の確定申告についての現金主義の特例、④源泉徴収における推計課税、
⑤医療費控除、寄付金控除の証明書となるものの整備など、実務上で書類確認など必要となる事項が盛り込まれました。
2.資産課税
所有者不明土地等にかかる課税につき、現所有者、使用者を所有者とみなすなど固定資産税の見直しが入りました。
3.法人課税
グループ通算制度、交際費損金不算入、5Gへの投資など大企業向けの改正が中心でしたが、大企業からの1億円以上の
スタートアップへの投資に対する税優遇が盛り込まれました。
4.消費課税
①たばこ税の見直し、②消費税申告期限の特例、そして③居住用賃貸建物の取得等にかかる消費税の仕入税額控除制度の適正化
ということで、消費税還付につき見直しが入りました。
5.国際課税
①子会社からの配当と子会社株式の譲渡を組み合わせた租税回避への対応、②外国子会社合算税制の見直し、がされました。
6.納税環境
①振替納税の通知依頼およびダイレクト納付の利用届出、②電子帳簿保存制度の見直し、③納税証明書の電子的請求手続きの柔軟化、
④国外財産調書制度等の見直しなど、こちらも実務面でより普及できるような内容となりました。
会計検査院の指摘を受けいつ見直しが入るか、と言われていた内容がいくつか盛り込まれ、実務での利便性が上がる内容もあり、
これまでの改正はそのままもしくは拡充、一部要件変更のうえまた2年延長された、という、
今後の経済の成長底上げに重点を置いた内容、そのとおり、という印象です。
年明けからまた詳細につき確認してまいりますので、疑問、ご不明点などは個別にお問い合わせください。
今回の改正、実際には令和3年以降など時期がずれることもあり、以前の改正でちょうど今年、来年から適用となるものも
多くありますのでそちらも注意が必要です。(前回ブログの源泉徴収税額表など含め)
令和初の年末年始です。
来年も皆様にとって良いお年であるようにお祈り申し上げます。