従業員の資格取得費用等を負担した場合の取り扱い
2022.06.01
【中小企業にもメリットのある確定拠出年金】
ここ数日間は4月とは思えない寒い日が続きましたが、やっと寒さも緩んできましたね。
当事務所の前の通りには、まだ散らずに頑張っている桜が見られましたが、そろそろ見納めになりそうです。
さて4月3日に政府が確定拠出年金の改正案を国会に提出しました。この改正案が成立すれば、2017年1月から施行されることになりそうです。
以前にもご紹介いたしましたが、この改正案の大きなポイントは対象者の拡大です。次の人たちは、これまで確定拠出年金の対象とはなりませんでした。
・企業年金があり、確定拠出年金がない会社に勤務している人
・公務員など共済に加入している人
・専業主婦など第3号被保険者
法改正によりこれらの人たちが対象となれば、対象者は約2700万人増えると言われています。
また、中小企業でも導入しやすい簡易型確定拠出年金制度の創設も大きなポイントと言えます。これまで確定拠出年金のデメリットとして企業側の手間が挙げられてきましたが、簡易型により手間が軽減されれば導入できる企業も増えることが予想されます。
この確定拠出年金、掛金全額を所得から差し引けること、運用で得た利益が非課税になることなど、加入者のメリットがとりあげられがちですが、企業側のメリットも少なからずあるのです。
掛金の全額を所得から差し引ける、ということは、社会保険料の計算の基礎となる標準報酬月額も下がるということです。これにより、企業の負担する社会保険料も軽減されることになります。
例えば、給与総額30万円の従業員が3万円の掛金を拠出した場合、社会保険料の一月あたり企業負担額は約5,000円軽減されます。年間では60,000円の軽減です。従業員が10名いれば600,000円の経費削減となります。
そもそも、企業年金制度は従業員の退職後の生活安定を図るものであり、従業員のモチベーションアップにつながるものです。労働人口が減少するなか、労働力の確保は中小企業にとって切実な問題です。従業員の福利厚生の充実は、その方策として非常に重要なものと言えます。
以上の通り、確定拠出年金は、経費削減と福利厚生充実の両立を図るものとして期待できます。
今後も法案の行方と業界の動きに注目し、ご紹介して参ります!
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