従業員の資格取得費用等を負担した場合の取り扱い
2022.06.01
夫が亡くなった場合の相続税の計算方法について知りたい
相続税は次の順序で計算します。相続人が妻と長男(18歳)の二人の場合の例とあわせご紹介いたします。
1.課税価格の計算
課税価格は、財産を取得した者ごとに、その取得した財産の価額から、引き受けた債務等の額を差し引いて計算します。
<例>
妻の取得した財産5,000万円、負担した借入金1,000万円であれば「5,000万円-1,000万円=4,000万円」となります。同じく、長男が取得した財産が2,500万円、負担した葬式費用が500万円なら「2,500万円ー500万円=2,000万円」となります。
2.課税される遺産総額の計算
課税される遺産総額は、1で求めた各人の課税価格を合計し、「遺産に係る基礎控除額」を差し引いて計算します。
<例>
課税価格の合計額6,000万円(妻4,000万円+長男2,000万円)ー基礎控除額4,200万円(3,000万円+600万円×2人)=1,800 万円
3.相続税の総額の計算
相続税の総額は、2で求めた遺産総額を各人が法定相続分に応じて取得したものとした場合の各金額に相続税の税率を乗じて計算した金額の合計額となります。なお税率は取得金額により異なります。計算表は国税庁のホームページに掲載してある計算表(http://www.nta.go.jp/taxanswer/sozoku/4155.htm)に当てはめて計算します。
<例>
妻:1,800万円×1/2=900万円・・・900万円×10%=90万円
長男:1,800万円×1/2=900万円・・・900万円×10%=90万円
合計額:90万円+90万円=180万円
4.各人の相続税額の計算
各人の相続税額は、3で計算した総額を現実に取得した財産の割合に応じて按分し
て計算します。
<例>
妻:180万円×4,000万円/6,000万円=120万円
長男:180万円×2,000万円/6,000万円=60万円
5.各人別の納付税額の計算
各人別の納付税額は、各人に当てはまる税額控除を差し引いて計算します。
<例>
妻:120万円ー配偶者の税額軽減120万円=0円
長男:60万円ー未成年者控除20万円=40万円
実際に相続税額が発生するかどうかは、財産や相続人の状況によってケースバイケースです。財産評価や非課税、税額控除などの各規定をうまく適用するためにも、早めの準備が有効です。ぜひ当事務所までお気軽にお問合せください。