どんな場合に必要?手続き面は?源泉徴収の対象となる報酬のあらまし
2022.03.16
中小企業の採用活動における課題
福島会計の小島です。
来年春に卒業予定の大学3年生らの採用に向けた大手企業の会社説明会が今月1日解禁され、大学生の就職活動がスタートしました。円安・株高による業績回復や人手不足で企業の採用意欲は強く、4年連続で学生優位の「売り手市場」になる見通しとのことです。
さて、中小企業白書によると、多くの中小企業は人材確保を経営課題として認識しています。当社のクライアントでも人材確保を課題としている企業が多いです。
しかし「売り手市場」の傾向が続くなか、新卒採用のハードルは上がるばかりです。徐々に普及しつつあるインターンシップ制度についても、中小企業における導入事例は限られており、導入した企業においても有効であると評価されたケースは決して多くはないようです。
そもそも、即戦力として雇用できる中途採用者と違い、新卒者は教育に時間がかかるという側面があるため、中小企業にとって負担の大きい新卒採用にはなかなか踏み切れないのが現状でしょう。
そうなると、やはり中小企業の採用活動の中心となるのは中途採用となってきますが、こちらもいろいろと課題があります。
中小企業庁が中小企業を対象に2014年に行ったアンケート調査では、中途採用の手段としては、ハローワークが69.0%と最も高く、「知人・友人(親族含む)の紹介」が46.7%となり、次いで「就職情報誌や新聞・雑誌等の求人広告」が25.5%となっています。
しかし、このような従来からの採用方法による応募状況や選考状況を聞いてみると、人材の質や量、採用後の使いやすさ、採用コストなどで課題があり、決して満足のいく結果を得られていないのが実態のようです。
このようななか、中小企業の採用活動の一つとしてここ数年注目されている手法にダイレクトリクルーティングというものがあります。
ダイレクトリクルーティングとはSNSなどを利用して企業側から直接人材にアプローチする手法です。自社の求める人材にピンポイントでアプローチすることができるので、採用活動が効率的になり、認知度の低い企業でも自社の魅力を伝えやすく、また採用コストも比較的に安価に抑えることができるなどのメリットがあります。
前述のハローワークや求人広告媒体が「待ちの姿勢」だとしたら、ダイレクトリクルーティングは「攻める」採用と言えます。大企業と差別化した採用活動が求められる中小企業にとって、有効な採用手法の一つとなっています。
もちろん、どのような方法にもメリット・デメリットがありますし、直接人材にアプローチするからには自社の魅力をきちんと整理し、相手にしっかりアピールするなど、採用ノウハウが求められますので、すぐに成果を出すのは簡単ではないでしょう。しかし、自社の強みや求める人材像を見直す良い機会にもなりますので、採用手段の一つとして活用してみてはいかがでしょうか。
ところで転職サイトの運営会社であるビズリーチでは、人工知能で応募者の履歴書を評価するサービスを開始したとのことです。ほかにも同様のサービスを行う事業者もあり、今後は人工知能を活用する動きが広がりそうです。採用ノウハウの乏しい中小企業にとっては活用の余地は大きいかもしれません。しかし、そのうち書類選考に通る履歴書の書き方を人工知能が指南するなど、いたちごっこになってしまう気もしますが・・・。やはり最後はフェイストゥフェイスのコミュニケーションを大切にしたいですね。