• 2023.12.06

個人型確定拠出年金(iDeCo)とは?メリットや注意点を解説!

 

個人型確定拠出年金(iDeCo)は、公的年金にプラスして給付を受けられる私的年金の1つです。
公的年金等だけでは将来不安な方が、自分で運用しながら老後の備えをするのが制度趣旨です。
今回はそんな個人型確定拠出年金(iDeCo)についてご紹介します。

 

個人型確定拠出年金(iDeCo)とは

 

個人型確定拠出年金(iDeCo)は公的年金にプラスして給付を受けられる年金制度で、企業年金に加入されているかどうか問わずに、加入することができます。ご自身で掛金の金額及び運用商品を決めたうえで、長期にわたり運用した後、60歳以降に運用に回してきた金額を受け取ることができます。

 

個人型確定拠出年金(iDeCo)の対象者と限度額

 

個人型確定拠出年金(iDeCo)は、日本国内にお住まいの20歳以上60歳未満の方が加入対象となります。

以下でiDeCoの加入対象者と掛金限度額をご説明します。

 

1.20歳以上60歳未満の自営業者とその家族、フリーランス、学生など

国民年金の第1号被保険者が対象です。

年間掛金限度額:81.6万円
⇒月額:6.8万円

 

2.厚生年金の被保険者(会社員)

国民年金の第2号被保険者が対象です。

 

(1)会社に企業年金制度が無い場合

年間掛金限度額:27.6万円
⇒月額:2.3万円

 

(2)企業型確定拠出年金(いわゆる企業型DC)、確定給付企業年金・厚生年金等に加入している場合

以下のパターンに分類されます。その方の加入状況に応じて掛金の限度額は変動します。

 

・企業型確定拠出年金にのみ加入している場合
年間掛金限度額:24万円
⇒月額:2万円

 

・確定給付企業年金・厚生年金等にのみ加入している場合、企業型確定拠出年金と確定給付企業年金・厚生年金等の両方加入している場合
年間掛金限度額:14.4万円
⇒月額:1.2万円

 

3. 公務員

iDeCo(イデコ)に加入するか否か、ご自身で選択することができます。

年間掛金限度額:14.4万円
⇒月額:1.2万円

 

4.専業主婦(夫)

第2号被保険者の被扶養配偶者である第3号被保険者は、iDeCo(イデコ)に加入するか否か、ご自身で選択することができます。

年間掛金限度額:27.6万円
⇒月額:2.3万円

個人型確定拠出年金(iDeCo)のメリット

 

まずは個人型確定拠出年金(iDeCo)のメリットをご紹介します。
主に下記3つのメリットがございます。

1.積み立てするとき全額が所得控除となる
2.利息や運用益は非課税
3.受け取るときに一括で受け取る場合は「退職所得控除」の適用を受けられ、分割で受け取る場合は「公的年金等控除」の適用を受けられる

 

積み立てするとき全額が所得控除となる

 

個人型確定拠出年金(iDeCo)の一番のメリットなのは、毎月の掛金全額が所得控除(小規模企業共済等掛金控除)の対象となることで、その年の所得税と翌年の住民税が軽減される点です。
つまり、老後資金を積み立てながら税負担を軽減することができます。
年収が高い方は、毎月の掛金金額を増やしていくと、その効果は高くなります。
ご自身で課税所得が無い方については、所得控除の対象外となります。

 

利息や運用益は非課税

 

投資信託などの金融商品で運用する場合だと、利益確定時に運用益に対して20.315%の税金(所得税15%・住民税5%・復興特別所得税0.315%)が掛かります。
しかし、個人型確定拠出年金(iDeCo)で運用した場合には、その運用益が全て非課税となるメリットがあります。例を挙げますと、運用で1万円の利益が確定した場合に、投資信託などの金融商品ですと、2,031円の税金がかかりますが、個人型確定拠出年金(iDeCo)で運用した場合には、税金は0円となり、支払が不要です。もし500万円以上の運用益が出た場合には、この差は100万円以上にもなりますので、非常に大きな差だと感じると思います。
以上を鑑みると、個人型確定拠出年金(iDeCo)の効果がいかに大きいのかが分かります。

 

受け取るときに一括で受け取る場合は「退職控除」の適用を受けられ、分割で受け取る場合は「公的年金等控除」の適用を受けられる

 

個人型確定拠出年金(iDeCo)は、「積立時」及び「運用時」は非課税となりますが、「受取時」に関しては、一括して課税される仕組みとなっています。ですが、以下のような税制控除が適用されます。
一時金として受け取る際は「退職所得控除」、年金として受け取る際は「公的年金等控除」が適用されて、一定額まで非課税です。

 

個人型確定拠出年金(iDeCo)のデメリット・注意点

 

まずは個人型確定拠出年金(iDeCo)のデメリットや注意点をご紹介します。
主に下記3つのデメリットや注意点がございます。

1.手数料がかかる
2.元本割れのリスクがある
3.原則として60歳まで資産を引き出すことができない

 

手数料がかかる

 

個人型確定拠出年金(iDeCo)では、加入してから受取が完了するまでの間、手数料が掛かります。一方で、課税所得がある方であれば、基本的には手数料を上回り、結果として減税効果があるケースがほとんどです。

 

元本割れのリスクがある

 

個人型確定拠出年金(iDeCo)は、様々な金融商品から投資先を選ぶ資産運用ですので、元本割れのリスクがあります。
投資信託などの場合は、常に相場は変動をしているので、常に上昇が続くわけではありません。投資に慣れていない場合、価格が下落した際に心理的に不安に陥り、元本保証型の商品に切り替えてしまうことがあります。
しかしその後、元の商品の価格が上昇してきて、わざわざ切り替える必要は無かったと後悔してしまいます。したがって、相場の値動きに右往左往せず、積立を継続させることが肝要です。

 

原則として60歳まで資産を引き出すことができない

 

個人型確定拠出年金(iDeCo)で積み立てた資産は、原則として60歳まで引き出すことはできません。
しかし、個人型確定拠出年金(iDeCo)は本来、老後のために資産形成することを目的として活用すべき制度ですので、資産を引き出せないことはむしろメリットとなります。
もし、今すぐに必要だからといって、簡単に引き出すことができたり、解約ができたりすると、その都度、引き出しをしてしまい、結局老後のための資金を貯めることができず失敗をしてしまう恐れがあります。
前提として、お金の管理方法は目的に応じて変える必要があります。
子どもの教育にかかる資金でしたら、定期預金や新NISAを活用したり、万が一の場合に備える際には、保険に加入することも候補として挙がります。
個人型確定拠出年金(iDeCo)を始める場合にも、個人型確定拠出年金(iDeCo)以外の方法で目的に応じて、適切に資産形成を行うことが大切です。

 

まとめ

 

以上、個人型確定拠出年金(iDeCo)の内容やメリット・デメリット、加入方法などについてご紹介しました。
なお、個人型確定拠出年金(iDeCo)で所得控除を受けるためには、会社員の方の場合は年末調整が必要ですし、自営業をされている場合には確定申告が必要ですので、ご注意ください。

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