従業員の資格取得費用等を負担した場合の取り扱い
2022.06.01
所得拡大促進税制 適用要件の大幅な改正に注意!
福島会計スタッフの荻野です。
残暑もようやく落ち着いてきまして、気温が下がってくる時期になってきました。
湿度の高い日も続いていますので、皆様体調にはくれぐれもお気をつけ下さい!
さて、以前当ブログでもお伝えしましたとおり、平成30年4月1日以降開始する事業年度より、所得拡大促進税制の改正が行われています。
その際、適用要件が大幅に見直されたので、今後適用できるかどうかの確認をこのタイミングで再度行ってみてはいかがでしょうか。
所得拡大促進税制とは、賃上げに対する優遇措置です。賃上げを通じ、会社も従業員もWin-Winの関係が望める制度となっています。
改正後適用要件は以下の通りです。
《中小企業・個人事業主》
①給与総額が前事業年度を上回っている
②継続雇用者給与等支給額が前事業年度比で1.5%以上増加
中小企業等の注意点は、以下のようになります。
・給与総額は継続雇用者に限定せず、すべての給与等が対象
・継続雇用者が、前期・当期の全ての期間において在職していること
(以前は前期1ヵ月のみ該当、当期12ヵ月該当でも対象になっていましたが、今後は2年度全ての期間での継続雇用者が対象となります。)
・基準年度からの増加要件の撤廃
(これにより、新設の初年度は適用できなくなりました。)
※大企業は②の要件が3%以上増加。そして新たに一定の設備投資の条件が追加されています。
以上の要件を満たす場合、①の給与総額増加分の15%が税額控除されます。
また、中小企業では②が2.5%以上増加している場合には、経営力向上計画を策定することにより、
本来の税額控除率15%を、25%に増加させることができる可能性があります。
(法人税額の20%が上限になることは変わりません。)
経営力向上計画策定のメリットは他にも、
・現状の認識・課題の抽出等が出来る
・補助金の優先採択を受けることができる
・固定資産税が軽減される
・金利が優遇される
等があります。
また、これから更に経営力向上計画の認定が活用できるシーンが増えてくる可能性も考えられます。
今回所得拡大促進税制の新適用要件を見直すと共に、更なる税額控除の可能性がある場合には、経営力向上計画の策定も行ってみてはいかがでしょうか。
経営力向上計画の策定のご相談は、認定経営革新等支援機関である当事務所に、ぜひお任せください。