従業員の資格取得費用等を負担した場合の取り扱い
2022.06.01
法定調書とは?提出期限や種類を解説!
日も短くなり、気温もすっかり冬を感じるようになりました。
いよいよ年末が近付いてまいりましたが、皆様年末調整の準備は進んでいらっしゃるでしょうか?
年末調整の時期が終わるとすぐにやってくるのが法定調書の提出です。
本ブログでは、法定調書の概要、注意点について、Q&Aを交えてお伝えします。
また、今年の重要な改正点である定額減税の影響もありますので
忙しい年末に入る前にぜひご確認ください。
法定調書とは、税務当局が納税者の所得状況を把握し適正で公平な課税を実現するために、法人・個人問わず支払者に提出義務を課しているものです。
特に従業員を雇っている事業者の皆様は給与支払報告書の提出がありますのでご注意ください。
法定調書は、主なものとして下記の6つが掲げられますが、該当件数の少ないものも含めると全部で63種類もあります。
(1)給与所得の源泉徴収票(給与支払報告書)
(2)退職所得の源泉徴収票・特別徴収票
(3)報酬、料金、契約金及び賞金の支払調書
(4)不動産の使用料等の支払調書
(5)不動産等の譲受けの対価の支払調書
(6)不動産等の売買又は貸付けのあっせん手数料の支払調書
この他にも、株取引を行っている人に証券会社から交付される「特定口座年間取引報告書」や、一定の資産等がある方が提出しなければいけない「国外財産調書」「財産債務調書」も法定調書の1つでよく知られています。
上記「(1)給与所得の源泉徴収票(給与支払報告書)」の摘要欄に
「源泉徴収時所得税減税控除済額」と「控除外額」の記載が必要となります。
法定調書作成ソフトを利用している場合は自動で入力されることが多いと思いますが、記載例については以下国税庁が公表している手引きをご覧ください。
法定調書の提出期限は、原則として
「支払が確定した年の翌年1月31日」
となっています。
令和6年分の法定調書の期限は
令和7年1月31日(金)です。
法定調書を提出期限までに税務署長に提出しなかった場合には、所得税法第242条1項5号の規定により
「1年以下の懲役又は50万円以下の罰金」
が課せられます。
法定調書に虚偽の記載をした場合にもこの罰則が適用されますのでご注意ください。
我々のお客様である事業者の多くがこれらの提出義務者となり、集計から税務署への提出まで依頼を受けることが多いのですが、我々としても法定調書の性質や内容などを説明する機会がなく、事業者に理解してもらえているとは到底言えない現状かと思います。
そこで、以下ではよく受ける実際の質問事例などを元に、法定調書のことを少し解説したいと思います。
その先に、「曖昧だった理解がはっきりした!!」、「そうなの?今まで誤解していた!!」と思っていただければ幸いです。
源泉徴収票の本人交付は義務ですので原則退職時に発行をしておりますが、再発行であっても要望を受けたら必ず交付する必要があります。
なお、「(3)報酬等の支払調書」を支払先から求められることがありますが、こちらの本人交付義務はありません。
※(4)~(6)の支払調書も同様
正しくは「(3)報酬、料金、契約金及び賞金の支払調書」ですね。
「(1)源泉徴収票」は、その方と雇用契約関係(給与所得)がある場合に交付するものです。
なお、事例①の通り交付義務はありませんが、慣行(サービス)として交付しています。
支払調書はあくまで参考です。
自身で管理し、一定の基準により計上した売上金額が正しい数字となります。(訂正は必要ありません。)
いかがでしたでしょうか?
法定調書の提出は給与や報酬等の支払者である事業者の方々には、必ず生じる義務となります。
罰則がある以上、「知らない・わからない」と言っていたら思わぬ出費が!なんてこともあるかもしれません。
今回のブログをきっかけに、法定調書について調べてみてはいかがでしょうか。
当ブログが皆様のお役に立てれば幸いです。
引き続きお読みいただく皆様への情報提供に努めて参ります。