• 2015.10.01

株式を贈与する場合の税金について

ご質問

そろそろ自分の会社を子どもに引き継ぎたいと考えていますが、株式を贈与する場合の税金が心配です。
なお発行済み株式300株(評価額は一株あたり10万円、合計3,000万円)の全部を贈与するつもりです。

 

回答

経済産業大臣の認定を受ける非上場の中小企業については、株式を後継者に贈与した場合に贈与税が猶予される制度があります。

現在経営している会社が非上場の中小企業であり経済産業大臣の認定を受けること、後継者であるご子息が20歳以上であり、その会社の役員等に就任してから3年以上経過し、贈与時においてその会社の代表であることなどの要件を満たせば、納税猶予の規定を適用することができます。

なお、後継者は親族のうち一人の者に限り、手持ちの株式の全部または一定以上(贈与後の後継者の持ち株が発行済み株式の2/3に達するまで)を贈与しなければいけません。また納税が猶予されるのは、発行済み株式の2/3分の贈与税が限度となります。

今回のケースですが、本来は300株で3,000万円分の贈与税として1,220万円を納付しなければいけませんが、納税猶予の適用を受けることにより300株×2/3=200株で2,000万円分の贈与税に相当する720万円が猶予され、1,275万円-775万円=500万円が納付する税額となります。なお贈与する株を200株とすると、納付する税額は発生しません。

2/3を超える残り100株分については相続時精算課税や、翌年以降に暦年課税の基礎控除を活用することもできます。

納税が猶予された贈与税額ですが、その後質問者ご本人が亡くなったときに免除され、あらためて相続税の納税猶予の規定を適用することができ、後継者の死亡の日等まで納税が猶予することができます。

円滑な事業承継にあたっては、早めの贈与税・相続税の対策が必須です。非上場株式の評価とあわせ、最適な事業承継対策をご提案申し上げますので、お気軽にお声掛けください。

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