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  • 2015.04.23

【マイナンバーの恩恵】

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マイナンバーの通知が始まるまであと半年となりましたが、まだピンとこない方がほとんどではないでしょうか。あるいは情報漏えいに対する不安感だけが先行し、疑心暗鬼になっている方も多いと思います。

まず今回は私たちにとってどのような恩恵があるのかを考えてみたいと思います。

そもそもマイナンバーの趣旨として「行政の効率化」「国民の利便性向上」「公平・公正な社会の実現」の3つの柱が掲げられていますが、私たちに直接関係するものとして「国民の利便性向上」「公平公正な社会の実現」の2つが該当します。

「国民の利便性向上」についてですが、どこまで適用範囲が広がるかは今後も引き続き議論されていくと思いますが、たとえば次のような構想が検討されています。

・住民票や戸籍、印鑑証明などの書類の準備が不要になる。
・引越し時に電力、ガス、水道、金融機関、クレジットカードなどの住所変更手続きが一括して行える。
・個人番号カードを図書館や公共福祉施設などの利用カード、健康保険証などとして使えるようになる。
・予防接種やメタボ検診の情報、さらにはカルテやレセプトの情報が医療機関などの間で持ち越しでき、効果的な治療が受けられる。
・個人番号カードを社員証、クレジットカード、キャッシュカードなどとしても使えるようになる。

個人情報がマイナンバーに集約されることへのリスクはさておき、確かに便利になりそうですね。

次に「公平公正な社会の実現」についてですが、所得把握の精度があがることで、社会保障制度のきめ細やかな運用が可能となります。

たとえば現行の児童手当は、夫婦の所得の合計ではなく、夫婦のうち高い方の所得を基準として給付されます。
例えば、共働きで夫の所得500万円+妻の所得480万円の合計980万円の世帯は、妻が専業主婦で夫の所得が500万円の世帯と同じ扱いとなり、児童手 当が給付されることとなります。世帯としての所得が倍違うにもかかわらず、受ける手当は同額という状況が生じています。

マイナンバーの活用により世帯単位での所得情報の把握が可能となれば、本当に助けを必要とする人に手当が行き渡るようになります。もちろん不正受給の防止も大きなメリットです。

以上のように、マイナンバーが幅広く有効に活用されれば、私たち国民にも多くの恩恵がありでそうです。

とはいえ、やはり気になるのが情報流出のリスク。今回ご紹介した恩恵を享受するうえでも、行政や企業などにおいて十分な対策をとってもらいたいところです が、現時点でマイナンバーの対応作業を進めている企業は全体の二割以下にとどまるなど、社会全体の体制はまだまだ整っていないようです。

なにかと話題の尽きないマイナンバー。引き続き、その課題や税務面での取り扱いなど、今後も引き続き取り上げて参りたいと思います!

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