従業員の資格取得費用等を負担した場合の取り扱い
2022.06.01
労働分配率と一人あたり限界利益
スタッフの原田です。
コロナの影響もあり、売上・利益の減少に伴い人件費の相談が以前より多くなっている印象があります。
・給料、人員の見直しをしたいが現状の利益から考えるとどれくらいが適正なのか?
・売上拡大には人員増加が必要だがどれくらいの予算がとれるか?
・結果を出した社員には利益を還元したいが利益から考えると予算はどれくらいとれるか?
等々。人件費と利益のバランスでの悩みが多いように思います。
そのようなご相談をいただいた時には「労働分配率」と「一人あたり限界利益」の考えをお伝えすることがよくあります。
「労働分配率」とは?
一言で言えば「稼いだお金を社員にどれくらい分配しているか」を示した指標になります。
労働分配率=人件費÷付加価値 と計算します。
付加価値は売上から変動費(仕入、外注費等)を引いた利益、いわゆる粗利や限界利益と言われるものです。
この割合が高ければ高いほど稼いだお金の多くを社員に分配している、社員の取り分が多くなります。
この割合が高すぎると利益を圧迫してしまい赤字体質となってしまいます。
逆に低すぎると稼ぎに比べて給料が少ないと感じる社員も出るかもしれません。
では何%くらいが適正かというと業種にもよりますが一般的には50%~60%程度が目安になるとお伝えをしています。
イメージとしては「自分で稼いだお金(原価を除いた金額)の半分が取り分」と言うとわかりやすいかもしれません。
もちろん経理や総務等の間接的に利益に貢献している人員もいるので単純には言えませんが。
労働分配率は割合ですので規模の大小は問わず目安になると思います。
「一人あたり限界利益」とは?
一言で言えば「一人あたりの稼ぎ高」となります。
一人あたり限界利益=付加価値÷社員数 と計算します。
給料が高い会社はこの数字が高くなります。
さきほどの労働分配率が50%であると考えると一人1,000万稼げばその人の年収は500万となります。
大企業はこの数値が高いので年収も高くなる傾向にあります。
あくまで一人あたりの限界利益となりますので全体の売上額では大企業には勝てませんが、この部分は中小企業でも勝てる部分だと思います。
実際に社員10人以下の会社でも一人あたりの平均年収が1,000万を超えている会社も存在します。
現状の付加価値、労働分配率がどれくらいなのか?
今後、人員の見直しや採用をすることによって付加価値はどう影響するか?労働分配率は適正になるか?
などを考えていただければ決断をしやすいと思います。
福島会計では財務諸表を活用しながら経営をサポートさせていただいております。
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