• 2024.12.24

確定申告をする意義とは?確定申告の仕組みやメリットを解説!

 

個人の確定申告の時期が近づいてきました。この時期になると多くの方が慌ただしくなりますが、そもそも確定申告の仕組みやメリットをご存じでしょうか?この記事では、確定申告の基本的な仕組みや、それを行う意義について詳しく解説します。

 

 

確定申告の仕組み

 

国が税金を徴収する手段としては、大きく申告納税方式と賦課課税方式があります。
申告納税方式は納税者が自分で税額を計算し税務署等に申告する仕組みで、一方の賦課課税方式は税務署等が税額を決定して納税者に通知する方式を言います。
個人事業税や固定資産税は賦課課税方式がとられていますが、個人所得税に関してはご存じの通り、申告納税方式をとっていますので、納税義務者は税法に基づいて税金を計算して申告する義務を負います。
(給与所得のみの場合は、企業(給与支払者)が代わりにこの作業をやってくれます。これが年末調整制度です)

 

この申告納税制度では一人一人が資料を揃えて、申告書を作って…とても大変な作業を国が国民に押し付けているという見方もできます。申告漏れを防止するためにできた制度が源泉徴収制度で、個人に支払う際に予め税金を天引きして納付する義務を事業者に負わせることで、国は少しでも納付漏れを防ごうと しています。
源泉徴収は一律に決められた計算方式で支給額から差し引かれますが、人によっては被扶養者がいたり、住宅ローンを抱えていたり、医療費が人より多くかかっていたり、税を負担する能力が人それぞれ違いますので、1年間の所得が確定した段階で確定申告をすることで(年末調整をすることで)負担すべき正しい税額が計算されるという仕組みになっています。
期間内に源泉徴収された金額の合計額が正しい税額より多く払いすぎていた場合には税金還付を受けることができます。逆に言えば、確定申告をしなければ税金を多く払いすぎてしまっている場合があるのです。

 

 

確定申告のメリット

 

一方で、確定申告にはメリットもあります。

 

税金の圧縮につながる

 

賦課課税方式では、決定した金額が通知されるため節税の余地がありませんが、申告納税方式だと合法な範囲内で納税者は税金の圧縮ができます。例えば、給与所得者でも「ふるさと納税」や「生命保険料控除」を利用することで税額を減らすことができます。事業を営んでいる方は営んでいる方は事業経費の計上やほかの控除もあります。

 

還付金を受け取れる可能性がある

 

源泉徴収された所得税が過剰であった場合、確定申告を行うことで還付金を受け取れる可能性があります。特に、年の途中で会社員から個人事業主に転身した場合や、多額の医療費を支払った場合には、還付金が発生しやすくなります。

 

収入証明書等の提出が簡単になる

 

確定申告を行うことで、融資や契約の際に必要な証明書を簡単に用意できるというメリットもあります。確定申告では、給与所得、事業所得、資産所得、不動産所得など、納税者が得た様々な所得を正確に申告します。

その結果、納税者の所得状況が明確になり、住宅ローンの申し込みや各種契約の際に求められる所得証明書をスムーズに取得することが可能です。確定申告を済ませておくことで、こうした手続きがより簡便になります。

 

 

確定申告をしないとどうなる?

 

確定申告を行わない、または期限に遅れると、以下のようなペナルティが課される可能性があります。ここでは、無申告や申告の遅延に伴う主なペナルティを解説します。

 

 

延滞税

 

延滞税は、納付期限までに税金を納めなかった場合に課される税金です。これは、確定申告で確定した税額を期限内に納付しない場合だけでなく、期限後申告や修正申告によって税額が新たに発生した場合にも適用されます。

延滞税の利率は納付の遅延期間に応じて異なりますが、最大で年14.6%が課されることがあります。この税率は、国税庁が定める特例基準割合に基づいて計算されます。

 

 

無申告加算税

 

無申告加算税は、期限内に申告を行わず、後から税金を納付した場合に課されるペナルティです。加算税の額は、納付すべき税額に基づいて以下のように算定されます。

納付税額が50万円以下の場合:原則として税額の15%
50万円を超える部分:税額の20%

ただし、税務署からの指摘を受ける前に自主的に申告した場合は、この税率が軽減されることがあります。

 

 

青色申告特別控除が減額される

 

青色申告者には、要件を満たせば、最大65万円または55万円の特別控除が認められます。しかし、確定申告を期限内に行わない場合、この控除額は10万円に減額されます。これは、青色申告者が複式簿記での記帳や帳簿の適正な保存といった要件を満たしていても、期限内に申告しなければ適用されない重要な控除です。

確定申告を適切に行うことは、税金の負担を軽減し、ペナルティを回避するために非常に重要です。期限を守って正確に申告を行い、不要な負担を避けましょう。

 

 

まとめ

 

正しい知識を持つことと申告作業をするという責任を各自が持たなければならないというのは大変重いことではありますが、この確定申告のメリットを存分に生かしつつ、税金を払いすぎることもごまかすこともないよう、適正な納税を行いたいものですね。

引き続き当ブログをお読みいただく皆様への情報提供に努めていきたいと考えております。

 

 

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