従業員の資格取得費用等を負担した場合の取り扱い
2022.06.01
【仮想通貨(ビットコイン)の所得税法上の取扱いについてタックスアンサーが公表されました】
こんにちは!スタッフの中谷です。
今回は、先日、国税庁のタックスアンサーで公表された仮想通貨(ビットコイン)の税法上の取り扱いについて、書きたいと思います。
仮想通貨に関する税法上の取り扱いのうち、消費税法上の取り扱いについては、以前、弊社のブログでお伝えしました。(http://www.fukushima-ta.jp/blog/financing/2725/)
今回、国税庁のタックスアンサーで公表になったのは、所得税法上の取り扱いについてです。
具体的には、「ビットコインを使用することにより利益が生じた場合の課税関係」で、今まで譲渡所得にすべきなのか、雑所得にすべきなのか、が明確になっていなかったのに対し、一定の場合を除いて「原則、雑所得とする」という指針を国税庁が出したことになります。
http://www.nta.go.jp/taxanswer/shotoku/1524.htm
この「使用することで生じた利益」とは、例えば、ビットコインを100万円で購入し、その購入したビットコインの価値が150万円の時に、150万円の商品を購入した場合の、その差額の利益50万円部分をいい、これを「雑所得」として所得税を計算する、ということです。
では、雑所得とはどういうものでしょうか?
また、譲渡による利益である譲渡所得とは何が異なるのでしょうか?
雑所得とは、給与所得や事業所得など他の9種類の所得のいずれにも当たらない所得をいい、総収入金額から必要経費を差し引いた金額が、所得として課税されます。
雑所得が適用される税率は、5.105%~45.945%で、他の所得(分離課税されるものを除く。)と合算した課税所得金額に応じた税率が適用されることになります。
一方、譲渡所得とは、資産の譲渡による所得をいい、対象となる資産は、土地や建物、一定の株式等などで、貸付金や売掛金などの金銭債権は除かれます。
譲渡所得の計算はその譲渡した資産によって異なるのですが、例えば上場株式を譲渡した場合には、分離課税といって、雑所得と同じように、総収入金額から必要経費を差し引いた金額が所得として課税されますが、適用される税率は15.315%(他に地方税5.105%)になります。
また、上場株式等の譲渡で損失が出た場合については、翌年以後3年間にわたり、確定申告により同じ上場株式等に係る譲渡所得等の金額等から繰越控除できますが、雑所得には繰越控除は認められていないという点も大きく異なります。
ちなみに、似たような取引として、FXがあります。これは、ビットコイン同様に雑所得にはなりますが、FXは「先物取引に係る雑所得等」として、他の所得とは合算せずに、所得税15.315%(他に地方税5.105%)の税率での課税(分離課税)がされます。ビットコイン同様、雑所得ではありますが、計算方法が異なるので、注意が必要です。
このように、何から得た利益なのか、によって課税方法が異なりますので、判断に迷った場合には、ぜひ専門家にご相談ください。
また、タックスアンサーでは、「使用することによる利益」に「(邦貨又は外貨との相対的な関係により認識される損益)」とのかっこ書きがついていますが、具体的にこれが何を指すのかは明確になっていないので、判断が分かれそうです。今後、引き続き注視していきたいと思います。