従業員の資格取得費用等を負担した場合の取り扱い
2022.06.01
クラウドファンディングに税金はかかる?確定申告は必要なのか?解説!
昨今、話題が尽きないクラウドファンディング。
皆様の中でもこれからクラウドファンディングで資金調達をしよう!と考えている方がいらっしゃるのではないでしょうか?
「法人として寄附したけど、この場合、会計処理はどうするの?」「資金提供を受けたけど、確定申告はするの?」
こんな疑問に対し、今回はクラウドファンディングの税務面の取り扱いを解説いたします。
クラウドファンディングはサイト上でプロジェクトの内容を掲載し、そのプロジェクトに賛同する人々から資金を調達する仕組みです。
もしこのクラウドファンディングを利用して資金調達した場合、その資金については、クラウドファンディングの類型やプロジェクトの金額、立案者の状況により、収入として申告しなければならない場合があります。
特に普段事業等を行っておらず、個人として確定申告を行っていない方については申告義務が発生した場合、申告漏れがないように注意が必要です。
具体的に類型によりどのように扱う必要があるか、下記で解説します。
クラウドファンディングにはいくつか類型があり、主には以下の2つのタイプに分けられます。
①購入型(リターン型)クラウドファンディング
②寄付型クラウドファンディング
ここでは各類型ごと、また立案者の状況ごとの税務上の取り扱いを説明していきます。
購入型は、売買契約に基づき、立案者が支援金額の見返りとして金銭以外の物やサービスを提供することが特徴です。
つまり通常の商取引と変わりませんので、支援者は普段ものを購入したときと同じ扱いになり、特別の扱いは発生しません。
立案者は商品・サービスの提供が完了した時点で、売上を認識することとなりますので、個人であれば所得税、法人であれば法人税の対象となります。
※会計上は、資金受領し商品・サービスの提供が完了していない時点では前受金として扱われます。
また事業を営んでいない個人の方の場合は、得た収入が少額であれば確定申告が必要ない場合もあります。
例えばクラウドファンディングで得た所得(収入からサイト手数料等の必要経費を差し引いた額)が20万円以下で、給与収入が年間2,000万円以下のサラリーマンが考えられます。
ただそれ以外の要件や、不要でも確定申告したほうがよいケースなどもありますので、不安な点があれば税理士に問い合わせしましょう。
購入型については、拠出した資金に対してあまりにもリターンの価値が低い場合には、寄附とみなされてしまう可能性もありますので、ご注意ください。
リターンの発生しない寄付型では、立案者、支援者がそれぞれ個人か法人かの組み合わせによって扱いが異なります。
受け取る側である法人は、寄附を受贈益として認識することになるため、法人税の対象となります。
支援する側の個人は、税務的には特に何もありません。支援先によっては、確定申告における寄附金控除の対象となるものもあるようですので、寄附金控除を受けたい場合はそうしたサイトを探すのもよいかもしれません。
受け取る側の法人は、①と同様です。
支援する側の法人について、一般的な寄附金は損金算入限度額が設けられており、使っただけ損金算入できるというわけではありませんので、注意が必要です。
この場合、受け取る側の個人においては、贈与税が発生する場合があります。
現時点では年間に110万円を超える贈与を受けた場合確定申告が必要になってきますので、しっかり確認しましょう。
支援する側の個人は、①と同様です。
受け取る側の個人は、ケースバイケースで所得区分は変わるのですが、例えば事業者であり事業に直接関係のあるプロジェクトを立案したのであれば、事業所得として扱われます。
他方、一時所得となった場合は、算出にあたっては50万円までであれば特別控除額がありますので、少額であれば結果的に所得税が発生しない可能性もあります。
こちらについても正しい処理については、税理士に確認するのがよいでしょう。
支援する側の法人は、②と同様です。
その他にクラウドファンディングの中には株式投資型、融資型といった類型も存在します。こちらについては立案者が一部の法人に限られてくるかと思います。
基本的には調達した資金そのものは法人税の対象とはなりませんが、状況により税務面に限らず経営面・財務面でも慎重に検討する必要がありますので、事前に税理士に相談しておきましょう。
いかがでしたでしょうか?以上の解説ではざっくりとした基本的なもののみを前提としており、海外商品の支援など消費税の面でも対応が必要になってくるケースなどもあるかと思います。
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